詐欺の被害届の書き方や書く時の注意点まとめ

2019年01月09日
詐欺・消費者問題
詐欺の被害届の書き方や書く時の注意点まとめ
現在、詐欺による被害が非常に深刻化しています。

インターネットを始め、複雑化する世の中で個人でも簡単に組織並みの環境を整えることも可能になってきました。


レンタルオフィスやバーチャルオフィスなどで簡易的な事務所を設け、携帯電話で事業所登録をする。

自社のホームページも誰でも簡単に作れてしまうので、詐欺師は次々と新しい会社を作っては、被害者が増えるという事もあり得ます。

今回は、被害にあった時に、被害届をどう書いたら良いのかといった書き方の部分や、注意するべき点をまとめます。

すでに被害に遭われている人は、参考にして被害届を作成してもらい、是非少しでも多くの詐欺被害を減らしたいと考えています。

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1.被害届と告訴状との違い


まず初めに、被害届と勘違いされやすい項目として、「告訴状」があることをお話ししましょう。

実は、被害届告訴状とは全くの別物です。

簡単に説明すると
・被害届:受理されるのは簡単だが、警察に捜査の義務なし
・告訴状:受理されるのは難しいが、警察に捜査の義務あり
という物になります。

では、なぜ告訴状とは別に被害届が存在するのか。

それは、被害の内容の深刻度によるものです。

告訴状は、
「犯罪被害を受けたという申告に加え、加害者を刑法において処罰してほしい」
という意思の元に行われるものになります。

つまり、相手が犯罪者であるという断定の元で行われます。

その場合、警察が受理するということは、加害者は犯罪者であるという可能性を認めたことと同義になりますから、当然その裏付けとなる捜査は必要です。

ですので、捜査が義務化されているのです。

一方で、被害届の場合には、受理されるハードルはそれほど高くありません。

あくまでも自分が被害に遭ったことを警察に知らせ、その上で警察が必要と判断すれば、捜査を行ってくれるという物になります。

この基準は曖昧で、受理した警察の裁量に任されている部分が大きいです。

しかし、同案件にて被害届が多数集まれば、警察も動かざるを得ない状況になり得ます。


2.被害届を出すのに必要な項目は?


被害届を出す際に必要な項目は、下記のようになっています。
・住所
・職業
・氏名
・年齢
・被害の日時
・被害に遭った場所
・被害時の様子
・被害金額
・犯人の住所や氏名など
・遺留品など参考になる事項

できるだけ詳細に書けるよう、メールや電話のやり取りなど細部まで記録を残しておくことが重要です。

被害届のフォーマットは、こちらよりダウンロード可能です。

出典:e-Gov 電子政府の総合窓口


3.被害届を出す2つの方法


被害届を出す方法としては、2つあります。

1つは、前述したフォーマットを元に、事前に記載をして、近くの交番や警察署に届けるという方法です。

この方法が一般的でしょう。

そしてもう1つは、交番や警察署に直接行って、証言を元に被害届を警察側で作ってもらうことです。

街中での盗難などは、このケースが多いでしょう。

怪我などによって自分で書くことができない場合を除いては、前者のフォーマットをダウンロード後に自分で記載することをお勧めします。


4.詐欺における被害届を書く時の注意点


被害届を書く際にはいくつかの注意点があります。


4-1.被害届を簡単に取り下げない


被害届は、自分の意志で取り下げることができます。

被害届を折角受け取ってもらえたのに、取り下げてしまう場合として多いのが、犯人が損害賠償をすると言ってきた場合でしょう。

特に犯人から返金対応をするといった形での交渉がされた場合には注意が必要です。

詐欺の被害者からすれば、返金がされるのであれば、問題はないと考えてしまうでしょう。

元々、騙されてお金が無くなることが嫌なわけで、犯人を処罰することは本来の目的ではないでしょう。

また、このタイミングで返金をしてもらわないと、最終的に警察が動いたとしても、返金に至らない可能性があると考えるのかもしれません。

今すぐに解決したいという気持ちから、この要求を呑んでしまうケースがあります。

一回取り下げてしまった被害届を、もう一度受理してもらうのは非常に難しいのです。

「返金する」と言われて被害届を取り下げたものの、一向に返金をされなかった・・・というケースでは、再受理も難しく泣き寝入りするしかなくなってしまいます。

しかも、このケースにおいては文書ではなく電話などで話す可能性も高いでしょうから、実際に言った言わないの水掛け論になってしまうと、その返金に対しても立証が難しくなってしまいます。


4-2.すぐに捜査が始まるとは限らない


前述したように、被害届には法的な強制力はありません。

そのため、警察が動くかどうかというのは、警察側の判断にゆだねられます。

ですので、被害金額が小さかったり、同様の被害が発生してないケースでは、中々警察も動いてくれないでしょう。

しかし、本来詐欺業者は準備をした上で騙しているはずですので、時間が経てば海外に逃亡される可能性もありますし、会社であればすでに潰れている可能性もあります。

そのため、被害者としては一刻を争います。

このような場合には、インターネット等を利用して、同様の詐欺被害にあった人を募ってみるのも一つの手段かもしれません。


4-3.虚偽の内容を書いてはいけない


当然ですが、被害届に嘘の内容を書いてはいけません。

相手を捕まえたいからと言って、大げさに状況を書いたり、相手に不利になるような内容を付け加えるなどの行為は、あなた自身が虚偽告訴罪に問われる可能性が出てきますので、十分に注意しましょう。


4-4.十分な資料を用意する


詐欺における被害届を書く際に重要なポイントとしては、
・いつ
・いくらの金額を
・どこで
・どのように
騙されたのかという事を明記することです。

また、それに応じた証拠資料を集めることも必要でしょう。

メールなどの文書として、送信(受信)日時やメール内容、相手のアドレスなどがしっかりと記載されていることが望ましく、決済を行った記録なども残しておく必要があるでしょう。

電話でのやり取りがあった場合には、その発着信履歴を画像として残しておきましょう(履歴自体は一定件数を超えると削除される可能性があるため)。


4-5.客観的な立証が必要


詐欺を立証できないと、警察が動くのは難しいでしょう。

例えお金のやり取りがあったとしても、単に本人同士の意見の相違ととられるケースもありますし、金銭トラブルという認識だけになり「詐欺」としては認識されないこともあります。

最近多い仮想通貨のICOなどでも、詐欺が横行しています。

ICOとは、未公開の仮想通貨のことで、
「将来的に上場するから、価格が高騰する」
という宣伝文句で多くの資金を集めます。

しかし、実際には上場せず、思わぬ失敗だったので資金は開発費用などに使ってしまったと言われたりします。

このような場合、実際に上場しなかったからと言って詐欺になるとは限らず、

「上場しようと思って頑張った結果できなかった」のか

「最初から騙すつもりだったから上場をする気がなかった」のかでは、状況は大きく変わります。


この他の例としては、インターネットビジネスの商材にこのケースが多いでしょう。

販売ページ内には

「全額返金保証」
「〇万円/月を完全補償」

などといった宣伝文句に釣られて購入した商材が、実は特定商取引に基づく表記の所に

この商品は成果を保証するものではありませんので、利用した際の損失は返金ができません

といったように書かれていることが非常に多いです。

これは誇大広告の可能性はあるものの、注意書きとして書かれているという点で、販売業者は強く出ているようです。

さらに、都合の悪い販売ページに関しては、売り切ったら即座にページを消してしまい、証拠が残らないようにもしています。

そのため、
・証拠になり得る情報が手元にあるのか
・法律的に違反していることがないのか
といった事も重要な要素になってきます。


4-6.民事事件には不介入


警察は、基本的に民事事件には介入しません。

民事事件とは、人と人もしくは会社と人に対しての紛争のことを言います。

反対に、警察が動いてくれる刑事事件の場合は、被告人が犯罪行為を行ったのかという事が論点になります。

民事事件に関しては、警察としても弁護士への相談を促すケースが多いようです。


4-7.並行して行動できる部分は行っておく


前述したように、警察が被害届に対して早急に行動してくれるとは限りません。

しかし、あなたにとってはすぐに行動しなくてはならない理由があるかもしれません。

例えば、クレジットカードによって購入してしまったケースであれば、支払い日前にクレジットカードのキャンセルができれば、支払いはしなくても良いかもしれません。

このようにできるだけ早く行動するべきこともあるでしょうから、被害届を出すのと並行して、消費者センターなどに相談することもお勧めします。

その他、無料の弁護士相談の申し込みなどに登録するなど、できる限り短期間で行動するのが良いでしょう。


5.出さないよりは出したほうがいい


ここまでの話をまとめると、被害届は
「出さないよりはマシだけど、それほど期待もできない」
というのが正直なところでしょう。

もちろん、犯罪性が強い事件の場合や、証拠が弁護士などから見ても十分にそろっていると思われる件でしたら、警察もすんなりと動いてくれることでしょう。

しかし、警察も暇ではありませんし、むやみに捜査をすれば、検挙率が下がってしまうため、警察としても芳しくないでしょう。

ですので、被害届は出すべきですが、あまり期待しすぎると後で落胆する可能性があります。


6.集団訴訟も一つの選択肢


前述したように、警察に被害届を出しても、民事は弁護士に相談するようにというアドバイスを受けるかもしれません。

そのため、最初から弁護士に相談するというのも一つの選択肢でしょう。

手間や時間を考えると、最初から弁護士に相談する方が効率的なケースもあります。

しかし、弁護士費用というのは安価ではありません。

また、金額が安いと弁護士報酬も少なくなりますから、弁護士側が受けてくれないケースもあります。

そこで集団訴訟 です。

集団訴訟は、複数人の被害者を募って、弁護士費用を皆で集めるという物です。

同じ案件の被害者同士で集まって訴訟を起こすので、証拠がある程度集まる可能性も高いですし、返金された上で弁護士費用を払ってもプラスになるケースもあります。

特にインターネットを利用した詐欺被害に関しては、このような集団訴訟というのは非常に有効で、今後は専門の弁護士も出てくることでしょう。

弁護士への相談についてこちらの記事で紹介していますので、ご確認ください。
あなたの詐欺被害、弁護士に無料相談できるかも。法テラスとは?


5.詐欺における被害届の書き方まとめ


今回は、詐欺における被害届の書き方についてお話ししました。

被害届という名前ですが、実際に捜査をしてくれるのかが未定というのは、被害者にとっては非常に悔しいものですが、しっかりとした証拠がないのに警察も動けないというのは当然でしょう。

最近では簡単に個人でもビジネスをスタートできるような環境があるがゆえに、詐欺師が増えているという事も考えられます。

そのため、自分自身で被害に遭わないために最善の手段を取ることはもちろんのことですが、このように法律に関するしっかりとした知識を持っておくこともいざという時のために重要なことでしょう。

もしも被害に遭った場合には、早急に対処し、適切に行動できるように祈っています。

(監修:弁護士 豊川 祐行)



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