集団訴訟ってどうやるの?これを読めば分かる!手続・方法のハウツー

2018年12月06日
集団訴訟
集団訴訟ってどうやるの?これを読めば分かる!手続・方法のハウツー
自分が受けたトラブル被害,どうやら同じような被害者がいるみたいだけど,どうすればよいか分からない。
集団訴訟という解決手段があると聞いたけれど,難しそうだし,泣き寝入りをするしかないのかな・・・。

本記事は,このように被害を埋もれさせてしまっている人や,集団訴訟のやり方を知りたい人に向けて書いています。具体的な手続きや方法についての情報を得て,あなたの行動の選択肢として,集団訴訟を検討してみてください。

1.集団訴訟とはなに?


そもそも,集団訴訟ってどんな制度なのでしょうか。

実は,集団訴訟という名の制度は存在していませんが,新聞等で紹介されるときなどは,少なくとも数十人の原告が共同して訴えを起こす場合に用いられているようです。

ざっくりと,同じ相手から,同じような被害を受けた多数の被害者が「集団」で「訴訟」を提起するもの,とイメージしてもらえれば十分です。

2.集団訴訟を起こすのはどんなとき?


では,どのような場合に集団訴訟を起こすのでしょうか。

結論から言えば,一定の目的の達成のために集まった集団が,何らかの現状の変更を求めて訴訟を利用する場合と考えてよいでしょう。
以下で具体例を示すので,イメージを作ってみてください。もしかすると,あなた自身に,「埋もれた」被害があるかもしれません。

・詐欺・悪徳商法
ねずみ講,和牛預託商法,投資商法,モニター商法等の詐欺的な悪徳商法の被害者が集まって,被害金の返還を求めるケース

・個人情報の漏洩
企業等のミスで,利用者の個人情報が流出し,悪用された場合に,利用者らが損害賠償等を求めるケース
(例)TBC訴訟,Yahoo!BB訴訟,ベネッセコーポレーション事件

・製品の欠陥
市販の製品などの使用に伴って何らかの被害が生じた場合に,同じく当該製品を購入・使用して同様の被害を被った人が集まって,損害賠償等を求めるケース
(例)カネボウ化粧品および関連会社で製造販売された美白化粧品の使用者の一部に,白斑様 症状がでた事件
その他にも,マンションの耐震性や自動車のエアバッグに関する欠陥が争われるケースが典型的に考えられます。

・騒音
騒音被害に悩む住民らが集まって,騒音の原因を作っている国や会社などに損害賠償等を求めるケース
(例)大阪国際空港騒音訴訟,新横田基地騒音訴訟

・公害
企業等の経済活動によって,環境が破壊されることに伴って同じような被害を負った人が集まって,損害賠償等を求めるケース
(例)四大公害訴訟(富山県イタイイタイ病訴訟,新潟県新潟水俣病訴訟,三重県四日市公害訴訟,熊本県水俣病訴訟のことです。)

・薬害
薬剤の副作用等によって被害を被った人が集まって,損害賠償等を求めるケース
(例)サリドマイド訴訟,薬害エイズ訴訟,薬害C型肝炎訴訟,薬害イレッサ訴訟

3.集団訴訟を起こす方法と必要なもの


集団訴訟を起こす方法及び流れは,以下のようなものです。

①被害者及び弁護団を組織する
・・・訴訟説明会等への参加をきっかけに,自分と同じような被害者を見つけ,原告団を組織する。
また,複数人の弁護士が協力して弁護団を組織する。

②弁護団が,被害者らと協議して,被害実態の調査と,解決方針の話し合いをしたうえで,訴状を作成し,集団訴訟を提起する。
その際に必要なものとしては,委任状作成に必要な印鑑(認印でOK),着手金や調査費(個別のケースにより金額は異なる)です。
集団訴訟に関する費用については,別コラムを参考にしてください。

このような流れをみると,被害を受けて集団訴訟を起こすことを考えている人にとって,まずは,自分と同じような被害者を見つけること,そして弁護士ないし弁護団を見つけることが必要かつ重要であることが分かりますね。
また,自分の被害実態をきちんと弁護士に説明できるようにしておく必要もあります。
いつ,どこで,誰と,どんなことをして,どのような被害にあったのかを自分なりに整理して,関係書類等も紛失しないように管理しておくべきでしょう。

弁護士を探す方法については,別コラムで詳しく紹介していますので,そちらを参照してみてください。

では,同じような被害者を見つけるためには,どうしたらよいのでしょうか。

まず,上に書いたように,訴訟説明会等への参加が,自分と同じような被害者を見つけることのできるよい機会といえます。多数の被害者がいる事件は,社会的にも注目を集めることがあり,既に被害者の会が発足していたり,弁護士等による訴訟説明会が開催されたりすることがあります。そのような会にアクセスすることで,あなたに協力してくれる弁護士や支援者と出会うことができるかもしれません。

また,被害対策弁護団への相談も有効な手段といえます。
被害対策弁護団は,特定の問題や事件について,弁護士が共同で被害者のサポートをしている組織です。ブラック企業被害対策弁護団,サブリース被害対策弁護団,クレジット・リース被害対策弁護団など,ある分野の事件について幅広く扱うものもあれば,特定の事件に関する相談を受け付けているものまで様々あります。ぜひ,検索してみてください。

4.集団訴訟の効果とメリット


集団訴訟は,あなたが受けた被害を埋もれさせないための解決策です。

同じような被害者と手を取り合って立ち上がることで,より幅ひろく弁護団や支援者のバックアップを得られる点で,一人で動く場合よりも効率的で実効的な解決を目指すことができるというメリットがあります。
また,大規模な集団訴訟に発展した場合,社会の注目を集め,世論が形作られることで,最終的には,あなたの活動がよりよい社会を作ることにつながるかもしれません。

さらに,訴訟にかかる費用についても,同じような被害者と共同して訴訟を提起することに伴い,訴訟費用を分担することができ,一人で訴訟を提起する場合よりも費用負担が抑えられる可能性もあり,この点もメリットといえるでしょう。

集団訴訟 起こす方法・まとめ


・訴訟説明会等への参加や,被害対策弁護団へのアクセスによって,自分と同じような被害者を見つけ,また,訴訟活動を委任できる弁護士を探すことが必要。

・訴訟を起こすには,弁護士に訴状を作ってもらう必要があり,その際に自分の被害について,きちんと説明できるように記憶や書類等を整理・管理しておく必要があるから注意。

・弁護士への委任の際には,印鑑,着手金,調査費等の用意が必要。
ただし、費用については被害者同士で分担するなどして、安く抑えられる可能性もある。