悪徳商法は許さない!責任はきっちりとらせよう。

2018年12月04日
詐欺・消費者問題
悪徳商法は許さない!責任はきっちりとらせよう。
「未公開株」「新規公開株」や,いわゆる「ファンド」などの勧誘で,こんな勧誘を受けたことはありませんか?
「上場確実ですので,必ず儲かります!元本も保証します!」
「○○社の株を買ってくれたら,あとで高く買い取ります!」

妙に美味しい話には気をつけろとは聞くけれど,とっても細かく論理的に説明してくれるし,この人は信用できる。よし,投資して一発当ててやろう。
そんな思いで投資に踏み切ったはいいものの,結局お金は返ってこないまま。
このような悪徳商法や詐欺の被害にあった人が採ることができる法的手段の一つとして,今回は「集団訴訟」をご紹介します。

1.集団訴訟で悪徳商法や詐欺の責任追及ができる


悪徳商法や詐欺の代表例として,投資被害があり,以下のような取引に関する投資が典型です。
・先物取引
将来の一定時期における物の受渡しを約束し,その価格を現時点で決める取引
・株取引
自己の手元資金あるいは手元株券を売買する現金取引と,顧客が一定の保証金を積んで証券会社から資金や株券を借りて売買する信用取引
・預託商法
顧客から借りるなどして集めた金銭で事業を行い,そこから得た収益によって出資金と利益金が配当されるという取引
その他にも,ワラント取引や投資信託取引,未公開株取引,投資事業者組合契約による被害の例があります。

このような悪徳商法や詐欺の被害にあった時,どうすればよいか分からず,途方に暮れてしまう被害者は少なくありません。やみくもに悪徳業者に電話をかけるも無視され続ける人。弁護士に依頼しようにも,高い費用がハードルになって,泣き寝入りしている人。このような被害者は,まさしく詐欺師や悪徳業者の思うつぼにハマってしまっています。
しかし,同じ相手から同じような被害にあった被害者が集まり,弁護士を通じて集団訴訟を起こす場合,支払う弁護士費用を分担することで,一人当たりの負担額を減らすことができます。
また,集団訴訟の場合は,他の被害者が集めた証拠も共有ができ,自分のものとしても使ってよいため,自分が個別に訴訟を起こした場合よりも有利に訴訟を進められる可能性があります。
このように,悪徳商法や詐欺の被害者は,泣き寝入りして被害を埋もれさせることなく,集団訴訟という手段によって,弁護士費用を安く抑えつつ,悪徳業者の責任追及をすることができるのです。

2.返金や賠償請求に成功した事例


悪徳商法や詐欺に関する紛争事例は数多くありますが,判決の形で賠償請求に成功した事例は多くありません。おそらく,和解等によって返金や賠償をさせているものと思われます。
以下では,判決の形で賠償請求に成功した代表例を紹介します。

・安愚楽牧場に関する事例
株式会社安愚楽牧場は,いわゆる「和牛預託商法」を行っていました。
和牛預託商法とは,概ね次のような事業です。

投資者が,業者から,肉用和牛の子牛を購入する。

購入した子牛は,投資者から業者に預託され,業者によって飼育される。

牛が成長したところで,業者は,投資者より牛を買い戻す。

業者が,牛を市場で売却する。

投資者の子牛の購入価格と,売却価格から育成経費を引いた差額が利益となって,投資者に還元される。

和牛預託商法は,一見,リスクのないように見えますが,ビジネスモデルとして無理がありました。行き詰まって経営破綻した安愚楽牧場の出資者ら(被害者)によって,複数の訴訟が提起されました。
その内,平成28年5月30日に大阪地裁で出された判決(安愚楽牧場被害で民事責任が問われた各地の訴訟で初の判決)では,安愚楽牧場の元取締役に約1億6千万円の全額賠償を命じ,元監査役に対しても約7千万円の連帯責任が認定されました。

・ワールドオーシャンファームに関する事例
株式会社ワールドオーシャンファームは,エビ養殖事業に出資すれば,その出資金が1年間で約2倍になるなどと出資者らを勧誘し,出資金名義でお金を集めました。「巨額エビ養殖詐欺」として,連日ニュースやワイドショーで報道された事件です。
この事件に関しても,元役員らに合計約2億6千万円の損害賠償義務を認める旨の判決が,平成26年12月12日に東京地裁で出ています。

その他にも,2018年現在,ジャパンライフ事件(100万円から600万円の磁気治療器を購入してレンタルオーナーになると,販売価格の6%を還元する!と宣伝し,主に高齢女性をターゲットに高額な契約を結ばせるなどした事件)が集団訴訟として提起されており,訴訟のゆくえが注目です。

3.勝訴した場合の流れとは


集団訴訟を提起する事件は,社会的関心を集めることが多く,また,事件の解決が社会的にも大きな意義を有する場合があります。
そこで,勝訴判決を得た場合は,事件の全面的な解決を実現するべく,原告団・弁護団・支援者の全勢力を結集して,記者会見等の運動を展開することが考えられます。また,控訴される可能性もありますので,相手の出方をうかがいつつ活動する必要もあるでしょう。
なお,勝訴判決を得た場合に支払う弁護士報酬については,別のコラムで紹介していますので参照してみてください。

4.和解した場合の流れとは


裁判上の和解は,訴訟を終了させ,確定判決と同じ効力を持ちます(民事訴訟法第267条)。
ですので,和解した場合,確定判決を得た場合と同じように,和解調書に従った解決がなされることになります。

詐欺 返金 集団訴訟・まとめ


・悪徳商法や詐欺の被害者は,集団訴訟という手段によって,弁護士費用を安く抑えつつ,悪徳業者の責任追及をすることができる。
・集団訴訟では,弁護士や弁護団が寄り添い,被害者の方々に手を差し伸べることができる。
・悪徳商法や詐欺の事例として,裁判で賠償請求が認められた事例がある。