13億円を失った!タカラトミーへ提訴された集団訴訟について

2018年10月15日
労働
13億円を失った!タカラトミーへ提訴された集団訴訟について
とても有名な企業であるタカラトミーが集団訴訟を起こされ、13億円もの損失となりました。

その理由は、タカラトミーがアメリカの法律に違反したためです。

これにより、業績が悪化しましたが、ある方法で業績を伸ばすことに成功しました。

この方法は、日本の多くの企業の経営者が参考にできるでしょう。
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1.タカラトミーの集団訴訟とは


タカラトミーの集団訴訟とは、トミーインターナショナル(アメリカの子会社)が特定の顧客へ営業のためにファックスを一方的に送ったことで起こった事件です。

この特定の顧客へ一方的にファックスを送る行為はアメリカの法律に違反していました。

タカラトミーはこれに対しその法律違反には該当していないとしていましたが、結果的に和解となりました。その際の和解額は10億以上です。

タカラトミーがこの事件を起こした理由は、経営不振によるものが理由と言われています。

日本では「リカちゃん」「ベイブレード」「デュエルマスターズ」など様々なものが大ヒットし、CMで大きく宣伝しているので今や知らない人はいないでしょう。

しかし、中国やアメリカでは商品がヒットしませんでした。

バンダイの「妖怪ウォッチ」にシェアを取られてしまったとも言われています。

そこで、どのような手を使っても売り上げを伸ばすために、このような形で宣伝したのでしょう。

2.タカラトミーの集団訴訟で原告の主張


タカラトミー集団訴訟の原告はTCPAに違反していると主張し、この集団訴訟を提訴しました。

3.会社はどんな対応をした?


この事件が終わった後にタカラトミーは業務改善を宣言しています。

その主なものは、アメリカの法律について注意して適切な会社運営を行うといったものや、社員の意識向上のために研修に力を入れるといった内容です。

更に、最も注目すべきはオランダ人のハロルド・メイさんを副社長として招いたことです。

コカ・コーラでマーケティングを行なった経験があり、とても優秀な人物です。とても明るい性格で知られており、日本に滞在している期間が長いので上手な日本語を操ります。

実際に彼の活躍によりタカラトミーは経営不振から脱却することに成功しました。

メイさんが行なった戦略の主なものは次の通りです。

3-1.データ分析


彼が行なったデータ分析によりタカラトミーの生産性は大幅に上がりました。

まず、販売する商品は1000近くありますが、主力の商品は300程度であることを突き止めました。

そこで、これらの商品に集中することでムダを減らしました。

これにより、次の戦略へお金を使えるようになりました。

3-2.企業のイメージアップ


彼はとても上手な日本語を話すことができるので、それを活かして会社説明会で自らが講演しました。

やはりマーケティングのプロだけあって自社のアピールは大得意だったのでしょう。

実際に学生が就職したい企業ランキングでタカラトミーの順位は大きく上がったことが報告されています。

ハロルド・メイさんの活躍でタカラトミーは軌道に乗ることができました。

これは大変喜ばしいことではありますが、裏を返せば彼を招いた以前の経営陣の実力は高くないと言わざるを得ません。

残念ながらタカラトミーに限らず日本の経営者の戦略は非常にお粗末と言われており、あまり良いイメージを持たれていません。

根本的原因は、高度経済成長・バブル経済にあるのでしょう。

この時代は物を作れば売れるという時代だったので、特に戦略を考えずとも売り上げを伸ばすことができました。

しかし、現代ではそうはいきません。環境に対応して戦略を練ることが求められます。

経営不振から脱却した要素である空港にガチャを設置したり、他の企業との提携を結ぶなどは経営のセンスが問われますが、データ分析は必ず行うべき努力です。

この事件以前にはこれを怠っていることがわかりました。

大手企業でもこのような実態があるのです。

4.和解で特別損失13億?


タカラトミーはこの事件でなんと13億円もの特別損失を抱えてしまいました。

その内訳は、和解額で約11億円、それに関連した問題で約2億円が発生しました。

なお、特別損失とは経営とは直接関係ないところで失ったお金であり、これを報告することで節税になることがあります。

5.タカラトミー 集団訴訟・まとめ


タカラトミーは特定の顧客へファックスを送り、宣伝活動を行いましたが、アメリカの法律に触れていました。

これにより、13億円の損失を抱え、経営が厳しくなってしまったのです。

しかし、ハロルド・メイさんを招き、再びトップ企業として返り咲くことができました。
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