時間外労働と休日労働の是正!働き方改革の目的を踏まえて解説!

2020年01月09日
労働
時間外労働と休日労働の是正!働き方改革の目的を踏まえて解説!
日本は人口が年々減少し深刻な問題を抱えています。
「働き方改革によって残業ができなくなった…」などと話題が上がっていますが、この法案は何を目的に始められたのかご存知ですか?

2018年に働き方改革の法案が策定されました。さまざまな取り組みが実施されますが、その1つとして時間外労働や休日労働の是正が2019年4月から施行されています(中小企業は2020年4月から施行)。ここでは、働き方改革の目的や変更点について詳しく解説していきます。

大きな変更点として挙げられるのは労働時間の上限です。労働時間の上限が法律により厳しく定められていますので、企業の人事担当者の方は、ぜひご覧ください。

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働き方改革の目的


働き方改革は、政府の重要な施策の1つに位置づけられていて、多様な働き方を可能とする社会の実現を目指していく改革をいいます。

日本人の人口は、2013年頃をピークに減少に転じています。人口が減少していけば、労働力不足を解消させるため、働き手を増やし、出生率を上昇させて、労働生産性を向上させる必要があるのです。

 

働き方改革で変わること


労働力不足を改善するためには、5つの取り組みが行われます。

 

1.非正規雇用の待遇差改善


総務省統計局の労働力調査による正規雇用者は、約5,636万人。非正規雇用者は約3,513万人と公表されています(2019年4月期~6月期平均(速報)結果)。

雇用者の6割が非正規雇用労働者で占められているのです。

厚生労働省や政府は、日本の働く現場には、正規雇用者と非正規雇用者の不合理な待遇格差があると断定しています。これを解消するために処遇改善と非正規への転換の支援が推進されています。

 

2.時間外労働や休日労働など長時間労働の是正


長時間労働は、業務過多となり過労死という形で、人の命を奪い、病気にもつながることが判明しています。また、50%を超える事業所で、月100時間越えの時間外労働が課せられていることが判明したのです。

労働者の安全と健康を守るために、長時間労働が是正されました。日常が豊かになることによって、生産性が高まるメリットが出ると推測されていますが、総労働時間が減ることによって、会社の競争力が落ちるというデメリットもあります。

 

3.柔軟な働き方ができる環境づくり


子育てや介護によって、働きたくても働けないという人はいます。その解決策として、自由な働き方が整えられ始めています。

実際に近頃はフリーランスと呼ばれる人が増えてきました。フリーランスの方は会社に出社をすることなく、自宅やカフェなど好きな場所で働いています。

また、この法案を機会に副業を許可する企業が増えて、1人で何社もの会社に働きにいくことができるようになりました。このような柔軟な働き方を整えることで、労働人口を確保するという考えがあります。

 

4.ダイバーシティの推進


ダイバーシティとは多様性という意味です。女性が活躍できる社会を実現したり、子育て支援を拡充したりするとことをいいます。

社内のダイバーシティ化に取り組んでいる企業の表彰も開始、女性が活躍できる環境を整えることで、働きたいのに働けないという人に労働の場の提供が可能となります。

5.賃金引上げと労働生産性の向上


2018年の最低賃金額は874円ですが、1,000円にすると目標が掲げられています。賃金の引上げは労働者の生活を豊かにしますし、個人消費が増加するため日本経済が潤います。

 

 

時間外労働や休日労働とは


働き方改革法によって労働時間の是正が行われると説明しましたが、時間外労働や休日労働について簡単に説明します。

 

時間外労働


労働基準法では、労働時間は原則1日8時間、1週間40時間と決められています。この所定の時間を超えて勤務をさせた場合、割増賃金(残業代)の対象となります。

 

休日労働


労働基準法では、休日は1週間に1回あるいは4週間に4日以上付与することが定められています。

この法定休日に労働させた場合が休日労働となり、割増賃金の対象になります。一般的な企業は、土日の出金が休日労働に該当することが多いです。

 

 

時間外労働や休日労働の是正に必須!36協定とは


従業員に時間外労働や休日労働をさせる場合は、労働監督基準監督署へ36協定の届出を提出しなければいけません。
労働基準法で労働時間は「原則1日8時間、1週間40時間以内の出勤」と定められているのです。

これ以上の労働を従業員にさせる場合は、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結をしなければいけなのです。

 

時間外労働の上限規制


2018年6月に労働基準法が改正され、36協定に罰則付きの労働時間の上限が設けられました。この上限規制は2019年4月から施行されています。働き方改革として世間を賑わせているものです。

上限規制がかかり、月45時間・年360時間となり、臨時的なことを除けば、これを超えてはいけません。

臨時的な事情で労使が合意した場合でも、月80時間・年720時間を超える労働も禁止です。

 

 

時間外労働や休日出勤の是正に必須! 36協定の変更点


働き方改革法によって36協定の内容も変わりました。36協定は、どのように変わったのか確認しておきましょう。
新36協定旧36協定
書式・新36協定書式【特別条項なし】・新36協定書式【特別条項あり】・旧36協定書式【特別条項ありなし兼用】
有効期限・最大1年・最大1年
延長できる時間数特別条項がない場合・通常:1ヵ月45時間、1年360時間・変形:1ヵ月42時間、1年320時間
特別条項がある場合・年間6回(6か月)まで・時間数の上限は示されていなかった
時間外以外の特別条項で定めること・限度期間を超えて労働を行わなければいけない事情・特別条項が適用される場合の割増賃金率・特別条項が適用される労働者に対する健康確保措置を協定・限度期間を超えてさらに労働を行わなければならない事情・特別条項が適用される場合の割増賃金率
罰則36協定を結ばずに労働を行わせた場合や36協定の上限を超えて労働を行わせた場合→6か月以下の懲役36協定を結ばずに労働を行わせた場合や36協定の上限を超えて労働を行わせた場合→6か月以下の懲役または30万円以下の罰金・通常:1ヵ月45時間、1年360時間・変形:1ヵ月42時間、1年320時間・年間6回(6か月)まで・年間720時間まで・休日労働を含めて「複数月の平均80時間以内、単月100時間未満または30万円以下の罰金
 

 

 

36協定の書式


新36協定の書式には、労働保険番号や法人番号を記入する箇所ができました。データベースで情報を管理していくという意図が推測されます。

また、特別条項付きの書式は2枚に分かれていて、特別条項の詳細記入欄があります。

時間外労働の延長時間数


旧36協定では、時間外労働の延長時間の上限規制は「告示」という位置づけだったため、上限がありませんでした。上限を超えても言い逃れができたのです。そのため、5割の事業所では時間を超える労働が課せられています。

しかし、36協定は法定上限が定められて責任が問われるようになりました。罰則も与えられるようになったため、上限以上に働かせることが法的効力によって難しくなってしまったのです。

特別条項で定める内容


旧36協定では、特別条項に記載するべき内容の根拠を示す必要性はありませんでした。しかし、新26協定では法律上の裏付けが必要となるため、なぜ時間外の労働が必要なのかの根拠を示さなければいけなくなりました。

また、時間外働かせると健康のリスクが想定されます。そのため、特別休暇の付与や健康診断を受けさせるなどの代替案も定めなければいけません。

罰則について


旧36協定では、特別条項の上限には法的根拠がなかったため、実質青天井な36協定を結んでしまえば、罰則の適用を免れる脱法行為が可能でした。しかし、新36協定では、法的な根拠に基づく時間外労働の上限が設けられたため、この上限を守らなければ罰則の適用対象となります。

まとめ


日本の労働人口は2008年を境に減少の一途をたどっていて、深刻な問題を抱えています。政府は2018年に働き方改革法案を策定しました。

この法案には、さまざまな取り組みがありますが、労働者の健康リスクに備えて、労働時間に制限がかけられるようになったのです。法的な制限となるため、制限以上に働かせてしまうと違反行為となり、罰則の対象にもなってしまいます。

そのため、企業側は十分に注意を払い、労働環境を整えていかなければいけばせん。時間外労働や休日労働を従業員におこなわせる場合は、労働基準監督署に届け出を出さなければいけませんが、書式も変わりました。

2019年4月から、規制が厳しくなったため、今一度、企業の人事担当者の方は、働き方改革の意味や36協定の変更点を確認してみてください。法改正に対する深い知識が、人事の方には求められます。

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