債務者が計画通りに
借金を返してくれない場合は、困ってしまいます。
そのような場合に、書類の手続きだけで完結するため簡易的で人気な方法が
支払督促です。
しかし、正しい知識を身に付けておかなければ、もし
民事裁判に発展したときに動揺してしまうので注意しましょう。
裁判を経験したことがあるという方は少ないと思うので、その際は弁護士などに相談することをおすすめします。
この記事では、支払督促の基本的な流れや手続き方法について分かりやすく説明します。
注意点などについても記載してあるので、もし検討している方は、この記事を1度お読みになってくだされば、お役に立てると思います。
債権回収は、さまざまな方法があるので、それぞれの特徴を知って正しい回収方法を選びましょう。
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1.支払督促とは
相手を信用してお金を貸したにも関わらず、期日になってもお金が返済されない場合があります。
催促をしても返済されない場合は、貸した側は辛く感じてしまうでしょう。
しかし、このような場合は、裁判所への申し立てをすることによって、裁判所を通じて借金返済を催促してもらえるのです。
このような手続きを
支払督促といいます。
相手からお金を返してもらう方法には、民事訴訟を起こすなどの方法はありますが、支払督促は、裁判所に出向く必要がない手軽さが魅力となっています。
裁判所に出向く必要はないため、民事訴訟と比較をすると裁判所に支払う
手数料も半額程度に押さえられます。
注意点として、この手続きは
相手の所在地の住所を管轄する裁判所で行わなければいけないため、相手方の住所が分からない場合は手続きを行えません。
また、相手方が届いた支払督促の内容を受け取った後で異議申し立てを行った場合は、民事裁判に発展するというデメリットがあります。
裁判所に申立書を提出した後、裁判所が審査を行い、審査を通過すれば、相手方に支払督促が郵送されます。
支払督促が届いてから2週間何もせず放置してしまった場合は、財産が押さえられてしまう可能性があるので注意が必要です。
1-1.支払督促が有効となるケース
ここまで支払督促の基本的な内容をお伝えしてきましたが、審査が通過するケースは下記の通りです。
1-1-1.債権債務が客観的に確認できる契約書がある場合
支払督促は裁判所からの許可が出れば、強制執行で債権を回収していくことになります。通常の訴訟に比べると、裁判所の審査も緩やかです。
裁判所は客観的事実を参考にして、審査を行っていくのですが、債権者と債務者との間の契約内容が客観的に分かる契約書などは支払督促の段階では必要ありません。
ただ、後に通常の訴訟へと移行した場合には客観的な証拠が必要になってくるため、契約書などの客観的証拠はある程度用意しておいたほうがよいでしょう。
口頭の合意でも契約は有効に成立しますが
「言った」「聞いていない」などのトラブルになると泥沼化してしまいます。そのため、契約書などは紛失しないように大切に保管しておきましょう。
1-1-2.債務者は債務について異議がない場合
支払督促は債権者が裁判所に申し立てをすると成立するため、
債務者からの異議申し立ての機会も確保されています。
たとえば、契約当時の返済計画ではないものの、債権者から承諾を得て少しずつ借金を返済しているにも関わらず、債権者から支払督促が命じられた場合など、異議申し立てができて、民事裁判へと発展します。
このように、民事裁判になった場合は、原則的には債務者の所在地を管轄する裁判所で裁判は行われるため、遠出しなければいけません。
2.支払督促の手続きの流れ
支払督促の手続きは、次のような流れとなります。
2-1.支払督促申立書に請求の趣旨などの必要項目を記入する
支払督促申立書に請求の趣旨及び原因などの内容を記載します。
2-2.裁判所に支払督促申立書を提出する
相手の所在地を管轄する裁判所に提出します。
2-3.裁判所が申立書の内容をもとに審査を開始する
裁判所は、債権者が主張する「請求する権利」があるかどうかについて申立書をもとに審査を開始します。
2-4.審査通過した場合は、裁判所は支払督促を債務者に郵送する
審査した結果、上記の請求する権利があると判定された場合は、裁判所が債務者に対して支払督促を郵送します。
2-5.債務者側に意義申立てがないかを確認する
支払督促の申立ては債権者の一方的な手続きで行えてしまうため、一定期間の間、債務者側に異議がないかを待ちます。このような書面を郵送すると焦り、借金を全額返済してくる債務者の方もいますが、その場合は解決とみなされます。
2-6.裁判所が仮執行宣言申立書を作成する
債務者側の異議申立てなどがなくて、通達したにも関わらず、借金の返済をしようとする誠意を見せない場合は、
仮執行宣言申立書を作成します。これは、給与や財産を強制的に回収すると謳われている内容の書面です。
2-7.仮執行に関する審査を行う
裁判所は、申立書やこれまでの経緯から強制執行に入っていいのか審査を行います。
2-8.債務者からの異議申立てがないかを待つ
2週間という期限を設けて債務者からの異議申立てがないかを確認します。
2-9.強制執行に入る
仮執行宣言を送達しても、債務者からの反応がない場合は強制的な財産の差し押さえに入ります。自宅にある財産や給与などを差し押さえられます。
3.支払督促に必要なもの
支払督促申立書 | 1通 |
当事者目録 | 1通 |
請求の趣旨および原因 | 1通 |
収入印紙 | 1枚 |
角型封筒 | 2部・あなたの住所が記載してあるもの・相手型の住所が記載してあるもの |
ハガキ | 相手1人につき1枚 |
資格証明書 | 法人の場合は必要 |
管理組合の規約&議事録の写し | マンション管理組合が当事者の場合に必要 |
委任状 | 弁護士等が代理人として申立てする場合 |
手形の写し | 手形(小切手)訴訟による審理を求める場合に必要 |
[支払督促に必要な費用]
申立て手数料 | 100万円まで請求は、請求額の1/20※例えば10万円の請求であれば500円 |
正本送達費用 | 相手の人数×1,082円 |
発付通知費用 | 82円 |
申立書の作成及び提出する費用 | 一律800円 |
[補足:オンラインでも手続きも可能]
オンライン利用時間 | 平日の9時~17時 |
種類 | 賃金、立替金、求償金、売買代金、通信料、リース代金 |
支払督促に関する個別のお問い合わせ | 03-5819-0375 |
4.支払督促が利用できない場合に検討する債権回収方法
支払督促が有効とならない場合は、他の債権回収方法を検討しなければいけません。
債権回収の方法は、他にどのような方法があるのでしょうか?
ここでは、債権回収方法についてご紹介します。
民事訴訟 | 第三者的な立場の裁判官を踏まえて、証拠と意見も基に紛争の解決をしていきます。 |
少額訴訟 | 60万円以下の金銭の請求を求める際に行える訴訟で、1度の裁判で判決が出ます。 |
支払督促 | 書類の審査のみで行う手続きをいいますが、相手から異議申立てがあった場合は裁判に発展してしまいます。 |
5.支払督促を弁護士に依頼するメリット
支払督促は弁護士に依頼することができます。
弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。
5-1.申立書などの作成を任せられる
支払督促は、裁判所を介する手続きのため、申立書類の作成は難しく、時間と労力がかかります。
裁判所の書類のチェックは厳重で、記入漏れやミスがあると受理してもらえません。
そのような事態を防止するためにも、裁判所の手続きに慣れている弁護士に任せると安心できます。
また、
仮執行宣言の申立ての期日は30日以内と定められていて、この期限を過ぎてしまうと無効となるので注意が必要です。
このような期限なども設定されているため、知識や経験が豊富な弁護士に任せた方が良いと言えるでしょう。
5-2.訴訟へ移行した場合に安心して任せられる
相手側から異議申立てがあった場合は、民事訴訟へ移行するため、裁判の経験がない方からすると負担が大きくなるでしょう。
弁護士に依頼するメリットとしては、弁護士は訴訟の手続きから法廷への代理出席を依頼できます。
民事裁判へ移行した場合でも、専門家が付いていれば安心できるでしょう。
5-3.依頼主の状況に合わせた解決方法を提案してもらえる
債権回収の方法で簡易的であるため、支払督促を選ぶ方もいますが、具体的な状況によって
適切な債権回収方法は変わってきます。
弁護士に依頼する大きなメリットとしては、最適な解決方法を提案してもらえるでしょう。
そのため、どのような回収方法が最適なのか、1人で決めずに、まずは弁護士などの専門家に相談してみてください。
6.まとめ
今回は、支払督促を送る際の流れなどについて詳しく解説させていただきました。
支払督促は書類手続きだけで済むため簡易的である点がメリットにはなりますが、債務者側から異議申立てがあった場合は民事裁判に発展してしまいます。
裁判に発展するリスクも考えて、弁護士に最初から相談しておくと債権を回収できるまで安心できるはずです。
また、債権回収の方法には、他にも民事裁判や少額訴訟などがあります。
どの債権回収方法が良いかは状況次第で変わってくるので、ぜひ、弁護士に相談してみてください。
あまた法律事務所でも相談に乗っておりますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。
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