友達や家族との通信手段は電話よりもLINEやメールを使うと言う人が多いのではないでしょうか?
電話ならば、相手が通話可能かどうか考えなければいけませんが、LINEやメールならば要件を相手に発信してしまったら、後は既読になるのを待つだけですから本当に手軽な通信手段ですよね。
2019年の統計ではLINEのユーザー数は8000万人を超えているので、スマホを持っている人ならほとんどがLINEを持っているといっても過言ではないでしょう。
便利さの反面、問題になっているのが、LINEによる相手への暴言や中傷。
グループLINEの中でのいじめというのも大きな問題になっています。
もしも、自分がLINEで言われもない中傷を受けた場合、発言した相手を訴えることはできるのでしょうか?
この記事ではLINEでの発言は名誉毀損になるのかについてまとめた記事になります。
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LINEでの悪口は名誉毀損になるか?
1対1のメッセージや、LINEグループで悪口を言われた場合は、名誉毀損に該当するのかどうか、事例を挙げて説明します。
個人LINEで悪口を言われた場合は?
【事例】
友達が付き合っている男性からLINEのメッセージがあり
はっきりとした言葉ではないのですが、遠回しで友達に内緒で
自分と付き合わないか?という誘いのようなメッセージのように感じました。
私にはその気は全くなく、友達に伝えようかどうか悩んでいたのですが、思い切って男性から送られてきたLINEのスクリーンショットを送信して、事実を伝えました。
彼女から男性を問い詰めたら、全くそのような気持ちはなかったとのことだったのですが、その後、男性から私にメッセージが届き。
「いわれもないことで、二人の関係を悪くさせた!名誉毀損で訴えてやる」
このように言われてしまいました。
私は彼女にしか事実を伝えていないのですが、これも名誉毀損になるのでしょうか?
個人LINEの発言は名誉毀損にはならない
名誉毀損が成立するには
3つの条件全てに当て嵌まっていなければなりません。
1.公然の場である
2.事実を摘示している
3.相手の社会的信用にダメージを与える
まず、このLINE発言が該当している条件は2の
事実の摘示です。
男性にどのような目的があったのかは定かではありませんが、男性からのメッセージを見せて、私を誘っているという発言をしたことで、具体的な事柄を示しています。
しかし、
その他2つの成立要件については当てはまりません。
個人間でのメッセージのやり取りですから、公然ではありませんし、確かに彼女から男性に対しての信用や評価にはダメージを与えたかもしれませんが、社会的な信用が落ちたとは言えません。
グループLINEで中傷したら名誉毀損になるか?
【事例】
保育園の同じクラスのママ友10名のグループLINEに入っています。
先日、同じグループのママ友とちょっとした事でトラブルになってしまい、それ以降はグループLINEのメッセージがあまり届かなくなってしまいました。
しばらくしてから、仲のいい友達に聞いてみると、別のライングループを作成して、連絡はそっちでやり取りしているとのこと。
新しいLINEグループのメッセージを見ると、私に対しての悪口がたくさん書き込まれていました。その中には
「会社の上司と不倫している」「子供を放置して不倫相手のところに出かけている」
など、全く根拠のない中傷が書き込まれていたので、驚きました。
書き込んでいるのは、私とトラブルになったママ友とそのグループの2~3人なのですが、根拠のない噂をばら撒かれたとして、彼女を名誉毀損で訴えることはできるのでしょうか?
LINEグループの発言は「公然と」に当たらない可能性が高い
このケースでも、中傷している発言の内容が
「上司と不倫をしている」などという具体的な事項を示しているため、
事実の摘示には該当しています。ここで問題になるのは、個人間のLINEのやり取りと違い、複数の人間が参加しているLINEグループ内での発言が
「公然と」に該当するかどうか。
「公然」の定義は不特定多数の人物に対して、という意味になりますから、グループに参加している10人程度が多数と認められるものなのかになります。
SNSでの名誉毀損の判例を見ると、公然と認められているのは、Twitterなどにより
全世界やある程度広く一般社会に接点を有している媒体で発信している事例が多いです。同じ保育園のママ友グループというのも、限られたメンバー内になり、不特定多数と認められない可能性が高いです。
例外的に、グループ内のLINEの発言で、メンバーに伝えることにより、
他の人への情報の伝播を意図していたのであれば、「公然と」に該当することもありますが、今回のケースでは、友達に見せてもらったメッセージで発言が明らかになっていることから、積極的にLINEメンバー以外の人物に情報を伝えようという意図は感じられません。
この発言によって、社会的信用度が落ちたかについても、条件に該当しない可能性が高いです。
被害者の信用が落ちることで、仕事が減少し収入が減ったり、メッセージの内容が原因で旦那さんに疑われてしまい、離婚してしまうなどの実害があった場合は、社会的信用度にダメージがあったといえる場合もありますが、このケースでは、グループ内のメンバーの個人の心証を落とすことはあっても、社会的信用にダメージを与えているとは考えられません。
LINEでの発言が名誉毀損になる場合はあるのか?
個人間のLINEメッセージ交換や、LINEグループでの発言が名誉毀損に該当しないことについて事例を挙げましたが、逆に、LINEでの発言が名誉毀損になってしまうものにはどんなことがあるのでしょうか?
不特定多数が参加できるグループなどでの発言
LINEグループの中には、誰でも参加し自由に発言できるタイプのものがあります。友達同士で作成したグループと違い、
参加者をオープンにしているグループ内での中傷発言は、名誉毀損になってしまう可能性があります。
参加をオープンにしているグループLINEは、誰でも書きこみや閲覧が可能なネット上の掲示板と同じような扱いになります。そのため、グループ内での発言であっても、公然での発言とみられる可能性が高くなります。
過去の判例を見ると、LINEグループ内での発言ではありませんが、
20名程度の人に対して行った発言が、公然の場での発言とみられて、有罪となっているケースがありますので、小さなグループだとしても、具体的な事実を示して、相手の社会的な信用を落とすようなダメージを与えたものであれば名誉毀損になる可能性があります。
LINEでの発言をSNSで発信
LINE内での発言であっても、それをTwitterなどのSNSで発信したのであれば、公然での発言に当てはまりますので、他の二つ(相手の社会的な信用を落とした、具体的な事実を示しての発言)に該当した場合は、名誉毀損になります。
Twitterで発言することにより、他の人がツイートを拡散することにより、さらに情報を伝播することについても意図しているともみられます。
LINEで中傷されたら訴訟を起こした方がいい?
発言自体が名誉を毀損していることに当たらなくても、侮辱罪などの罪に該当する可能性がありますが、やはり「公然と」の部分の判断が難しいため、
相手へ損害賠償を請求しても、勝てる見込みが高いとは言えません。
また、訴訟を起こすために、弁護士への依頼も必要となります。
訴訟に勝利した場合でも、個人間での損害賠償であれば、それほど大きな賠償金を受け取る見込みも少ないため、弁護士への依頼にかかる費用とのバランスを考えると、ビジネスに影響をきたしてよほどの損害が出ていない場合でない限り、訴訟を起こすことは得策ではないと思います。
まとめ
LINE、Twitter、Facebookなどは一言でSNSと括られてしまうことが多いですが、情報をオープンに発信するTwitterなどとは違い、LINEはあくまでも、個人間やグループ内での連絡手段となるので、発言の重さについても他の二つとは全く違います。
悪口や中傷することは、道徳的には悪いことではありますが、法律的に見たら、中傷自体は罪の対象にはなっていません。
名誉毀損や侮辱罪で罪となるのは、発言によって相手の社会的信用にダメージを与え、相手が損害を被ることなのです。
LINEでの悪口により、精神的にダメージを負ってしまったのであれば、刑事では罪に問えませんが、民事で損害賠償や慰謝料を請求することは可能でしょう。
しかし、前述したように、弁護士に依頼したところで、受け取れる賠償金はごくわずかなものになる可能性が高く、訴訟を起こすための労力や時間、費用を考えたら、おすすめできるものではありません。
現在の法律では、LINEの発言から守ってもらうことは期待できないので、
発言を無視する、グループから脱退するなどの方法しか自己防衛する手段しかありません。
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