借金が膨れ上がってしまうと、債権者に返済することが難しくなってしまい、さらに借金をしてしまう…。
周囲の人からお金を借りるという選択をする人もいるでしょう。
また、住宅ローンやクレジットカードのリボ払いなどが滞納状態になってしまったら、追い打ちをかけられる状況になってしまいます。
しかし、借金には
時効があることをご存知でしょうか?
この時効は借金の種類によって異なるのですが、詳しく把握することで、今後のライフプランを計画的に立てられるようになる可能性があるため、ぜひ1度確認をしてみてください。
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1.借金の未払いで時効が成立する条件
借金問題にも時効があるとのことですが、どのような条件で時効は成立するのでしょうか。
ここでは、時効が成立する条件を解説します。
1-1.時効成立期間は5年もしくは10年
時効は、借り入れ先に応じて期間が異なります。
・家族や友人から借りた借金の場合…10年
・銀行や消費者金融機関から借りた場合…5年
※信用金庫や住宅金融支援機構から借入れは
10年です(ただし、借主が会社や個人事業主の場合は5年)。
1-1-1.時効の起算日
時効は、いつを起点日とすれば良いのでしょうか?
実は、
債務に応じて起算日は異なります。
(1)返済期日が指定されている債務の場合
一度も返済を行わなかった場合は、返済期日の翌日が起算日となります。
<例>
2014年1月1日に借入をして、
1回目の返済期日が2014年4月1日の場合の起算日
→
2014年4月2日
・返済期日のない債務の場合
一度も返済を行わなかった場合の返済日は、借入の翌日が起算日となります。
また、1回でも返済した場合は、最後に返済した日の翌日が起算日となります。
<例>
2014年1月1日に借入をした場合の起算日
→
2014年1月2日
2014年1月1日に借入をして
5月1日に1度返済をしている場合の起算日
→
2014年5月2日
2.借金未払いと時効の関係性
時効には
「消滅時効」と
「取得時効」の2種類があります。
2-1.消滅時効
消滅時効とは、法律上は権利を行使できるにも関わらず
「権利者が権利を行使しない状態が継続した場合」に、その権利を消滅させる法律上の効果のことを言います。
対象になる権利は、
債権または所有権以外の財産権です。
時効の期間は、
債権は10年、債権又は所有権以外の財産権の場合は20年と定められています。
<例>
Aさんは、2009年9月に貸金業者から50万円を借りました。
経済的余裕がなく貸金業者に対して返済ができませんでしたが、貸金業者からの返金請求などの連絡が一切ありませんでした。
このような状態が続き、
10年が経過。2019年9月を迎えた場合は、貸金業者がAさんに対して請求をしても、Aさんは時効が成立していることを主張できるのです。
2-2.取得時効
取得時効とは、
権利者らしい状態が一定の期間継続することによって与えられる時効を言います。
この取得時効には
5つの要件があり、すべてを満たせば成立します。
時効成立のために必要な期間は、占有開始時に善意無過失であれば10年、それ以外の場合は20年です。
[5つの要件]
1. 所有の意思をもって
2. 平穏かつ公然と
3. 他人の物を
4. 占有し
5. 占有が一定期間継続すること
<例>
Aさんは1989年9月に一軒家を建てました。
親族から受け取った土地だったため、自分の土地だと思い込んでいたのですが、2019年9月に「ここは私の土地です」とBさんが訪れてきたのです。
登記簿を確認すると、Bさんの名前が所有者として記載されています。
しかし、
20年以上の月日が経過しているため、この
土地の所有者の名義人はAさんとなります。
2-3.時効の成立を貸主に伝える必要がある
時効が経過すれば返済義務がなくなるわけではありません。
「最後に返済をした日から10年が経過するようなので時効は成立しているはずです。」
このように相手に伝えることを、
時効の援用と言い、確定日付が分かる内容証明を送るのが一般的です。
3.借金未払いの種類別の時効の違い
クレジットカードの支払いを滞納してしまい、新規のカードが作成できなくなったという経験をしたことがある方もいるでしょう。
借金の時効は、借金の種類によって異なります。
クレジットカード | クレジットカードの支払いを滞納すると、支払いの確認が取れるまで使用不可となります。時効期間は5年です。 |
キャッシングカードローン | カード会社からの催促の連絡を放置すると、催促の電話は勤務先にまで及びます。時効期間は5年です。 |
家賃 | 家賃は月単位の支払いが時効となります。時効期間は、最後の支払日からの起算となります。 |
医療費 | 医療費の未払いの時効期間は3年です。しかし、未払いで訴訟を起こされると時効期間が延びます。 |
住宅ローン | 貸主が銀行、信用金庫、住宅金融支援機構、保証協会かどうかで時効期間に大きな差が出ます。 |
携帯電話 | 端末料金の分割払いや月の通信料は、内容が複雑なため、時効期間の起算も難しいです。 |
4.借金問題の消滅時効の中断されるケース
お金を借りた側からすると、借金の時効の成立は非常に喜ばしいことですが、貸金業者は回収のプロのため、時効の成立を食い止めてきます。
一般的に時効の成立はないと思っておいた方が良いでしょう。
4-1.債権者が債務の弁済求める訴訟を提訴した場合
債権者は、なかなか借金を返済してくれない相手に対して、裁判を申し立てます。
この申立てが正式に受理されると、裁判所が債権者の代理で、債務者に支払いを命じます。
債務者は、裁判所からの書類が届いてから、2週間以内であれば異議申し立てができますが、異議申し立てを行わない場合は、その翌日から
30日以内に仮執行宣言の申し立てがされます。
4-2.債務者が債務を承認した場合
借金が膨れ上がってしまい、計画通りに返済はできない場合でも、少額ずつ返していきたいという方もいるでしょう。
しかし、このように少額でも債権者に借金を返した場合は「私は貸金業者から借金をしています」という事実を認めてしまう結果となるのです。
このように、
債務者が「債務」を「承認」した場合は、時効が中断されます。
また、先ほども説明をしましたが、時効の成立を相手に伝えなければいけません。
そのため、
時効を迎えた後でも「借金している」と認めてしまえば、時効が不成立となってしまうので注意しましょう。
何度もお伝えしますが、
「時効期間が満了している」
「相手に時効の成立を伝えた」
という2つの条件が必要です。
4-3.債権者が財産を差し押さえた場合
債務者が借金を一向に返してくれない場合、債権者は裁判所を通じて支払督促や訴訟を提起します。
この際に、裁判所が債権者に強制執行を認めると、債権者が
債務者の財産を差し押さえて、これによって時効は中断します。
5.一般的には借金問題の時効は成立しない
貸金業者からの借入か、個人間の借入で時効が成立しやすいかどうかは変わってきます。
5-1.貸金業者は借金回収のプロ
借金をしている人たちは、家族や友人にお金の相談できずに、貸金業者を利用している方が大半です。このような貸金業者は、回収のプロのため、時効が成立するリスクも把握しながら、相手にお金を貸しているのです。
また、貸金業者は弁護士とも提携している場合も多く、
返済せずに逃げ切ることは一般的には不可能と言われています。
貸金業者の場合は、あらゆる方法を利用してお金を回収しようとしてきます。
5-2.個人間同士での借金は成立する可能性もある
貸金業者の場合は、借金の回収のプロだと説明をしましたが、家族や知人からお金を借りた場合はどうなるのでしょうか?
このような場合は、貸金業者の場合と状況が異なってきて、相手もどのような対策を取ればいいのか悩んでいるはずです。
中には「催促をしたいけど、なかなか言えないから、相手を信じて待とう」と考える方もいるでしょう。
このように家族や知人から、お金を借りた場合は、時効が成立する可能性もあります。
しかし、せっかく自分のためにお金を貸してくれた家族や知人を裏切る形になってしまうため、心情的になかなか難しいところがあります。
個人間同士の多額のお金の貸し借りは、人間関係にヒビが入りやすいため、くれぐれもしないようにしましょう。
6.まとめ
貸金業者は借金回収のプロのため、比較的時効の成立はしにくいと言えます。
また、個人間同士の場合は、時効の成立はあり得ますが、自分のためにお金を貸してくれた人の気持ちを裏切る形になってしまうため注意をしましょう。
そして、借金と同時にローンの滞納もありえるので、それらを踏まえた知識を身に付けておくことが大切です。
最後になりますが、借金をしてしまった場合は、返済計画を立てましょう。
もし、1人で計画が立てられないという場合は、弁護士などの専門家と一緒に返済プランを考えていきましょう。
弁護士に依頼をすれば、催促の電話が止まり、金利の交渉などもしてくれるため、落ち着いて計画通りに借金が返済できるようになります。
そのため、1人で悩まずに、まずは専門家に相談することをおすすめします。
専門家に相談をすることが、借金に追われる日々とお別れする近道と言えるでしょう。
あまた法律事務所では、1人1人の状況を踏まえて、個々のご状況に合わせた債務整理方法をご提案しています。
ぜひ、悩みを抱えている方は、お気軽にご相談ください。
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