今回は、
原爆症認定を求めた被害者による集団訴訟について紹介します。
第二次世界大戦で日本へ原爆が落とされ多くの人の命が失われました。
今でも
原爆による悪影響(原爆症)を受けている人が大勢います。
本来であれば、国は原爆症に苦しむ被害者を救済するべきです。
しかし、国は
原爆症認定(原爆症認定がされれば月額13万5000円前後の金銭的支援を受けることができる)をなかなかしようとしません。
これに怒った被爆者の方々が国に対して
集団訴訟を提起しました。
そこで、以下で
原爆症認定を求めた集団訴訟について説明していきます。
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1.原爆症の集団訴訟とは?
原爆症の集団訴訟とは、第二次世界大戦で日本へ原爆が落とされ、その放射線により被害を受けた方が、原爆症認定を求めて提起した集団訴訟です。
原爆症が認定されると、被爆者の方に月に13万5000円の医療手当が支給されることになります。
それだけでなく、原爆の恐ろしさが伝われば、世間の理解も得ることができるので、金銭面以外にも恩恵があり、数多くの被曝者の生活を支えることに繋がります。
しかし、原爆症認定の審査をする疾病・障害認定審査会(厚生労働大臣の諮問機関)はなかなか原爆症を認定しようとしませんでした。
そこで、原爆による被害を認めない国に怒り、被爆者の方が集団訴訟を提起したのです。
2.原爆症の集団訴訟での原告の主張
原爆症の集団訴訟では原告は、主に原爆症の認定制度が実態を無視して運用されていると主張しています。
平成7年に施行された被爆者援護法によれば、原爆症に認定されるには
①疾病が原爆の放射線によって生じ(放射線起因性)
②現在も治療を要する状態にあること(要医療性)
が必要となっています。
しかし、この①について、国は原爆の爆発後すぐに発生した放射線による外部被曝しか考慮しない運用をしています。
原爆によって発生する放射線は、もちろん爆発後すぐに発生する放射線が最も放射線量が高く、健康被害も大きいです。
しかし、その他にも空気中に残留した放射線が含まれた雨(「黒い雨」)や、その他の放射性降下物、放射線によって汚染された井戸水や食べ物による内部被曝によっても健康被害が生じています。
このような健康被害は原爆投下時に爆心地近くにいた人だけでなく、原爆投下後に爆心地近くに来た人にも生じるものです。
しかし、国はこのような被爆者の健康被害を考慮せず、原爆投下直後に発生した放射線によって被曝した人しか原爆症の認定をしない運用をしていました。
上記のような運用によって、
国は原爆症認定の範囲を不当に狭くしているというのが原爆症の
集団訴訟の原告の主張です。
3.原爆症の集団訴訟の現在の状況
初めて原爆症の集団訴訟が提起されたのが、2003年でした。
この集団訴訟(第1次集団訴訟)では、東京・千葉・大阪の被爆者21人が原告となりました。
訴訟は約4年続き、2007年には第一審で原告の多くが勝訴する内容の判決が示されました。
その判決の中では、放射線起因性についての国の運用基準に疑問を呈する認定がされました。
つまり、上記の訴訟では
原告の主張が全面的に認められたこととなりました。
また、上記以外も各地で同様の集団訴訟が提起され、
多くの訴訟で原告側が勝訴することになりました。
国は、これらの判決を受けて、2009年8月6日に総理と被爆者団体との間で
「原爆症認定集団訴訟終結に関する基本方針に係る確認書」に署名がされました。
また、国は上記のような原爆症の認定基準を変えて積極的に原爆症の認定をする方向にシフトしています。
このように、集団訴訟が提起され、その多くで国が敗訴したことから
原爆症認定がされやすくなりました。
しかし、国は未だ原爆症の認定について消極的であるとみて取れ、2018年現在でも原爆症認定を求める被爆者が多くいます。
このような被爆者の方々が集団訴訟を提起するも、敗訴が続いているのが現状です。
2018年には広島地裁に対して24人の被爆者が集団訴訟を起こしましたが敗訴しています。
この訴訟の判決では改定された新しい認定基準が何ら考慮されていなく従来の基準によって原爆症の認定が判断されていると批判されています。
被爆者の苦しみが理解されるのはまだまだ時間が掛かると思わされる事例です。
原爆症の集団訴訟について・まとめ
今回は、原爆症認定を求めた集団訴訟について解説しました。
原爆症認定がされれば、被曝者の方は医療手当を受給することができるようになりますが、国は原爆症をなかなか認定をしようとしていません。
集団訴訟による勝訴で、原爆症認定者は増えましたが、依然として認定されない方も多くいます。
実際に現代では集団訴訟を提起しても敗訴する例があります。
しかし、この原爆症の集団訴訟をきっかけとして、多くの方に原爆の恐ろしさ、原爆症のつらさが伝わり、核兵器は改めて絶対に使ってはいけないことや原爆症の方を支えるということが認識されることになったでしょう。
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